病院の広場
再発予防の給付を望む
杉岡 直登
1
1九州厚生年金病院
pp.17
発行日 1968年2月1日
Published Date 1968/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203281
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厚生年金病院は厚生年金受給者の福祉施設の一環として昭和27年東京,大阪についで30年,九州に総合病院として創設された。当時厚生年金受給者といえば身体障害者にかぎられていた。したがってその人たちの社会復帰を主目的とした医療を提供する意味から,整形外科を中核とされたことは,理にかなったことであった。
ところが年とともに目標が変貌せざるをえなくなった。その原因は,1つは社会保険の守備範囲が拡大されて,医療の給付が無期限となり国民保険などの発展で国民皆保険となり,上記の厚生年金保険による医療の給付が一般的には存在の価値がほとんどなくなったこと。2つには整形外科が近年急激に発展し,今日では整形外科の専門医がいたるところで医療に従事するにいたり,整形外科を中核とする厚生年金病院の特殊的な存在価値が減少してきたことである。
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