研究と報告【投稿】
放射線科撮影事務手続手順の簡素化について
江川 寛
1
1慶大医学部講師病院管理学
pp.67-73
発行日 1967年7月1日
Published Date 1967/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203132
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医療における放射線の応用は疾病予防のための検診から患者の診断,治療,予後観察にいたるまで,広範囲におよんでいる。そのなかでの放射線科の業務内容はいうまでもなく診断と治療1)に大別されるわけであるが,近時その目的により広範な業務内容はさらに複雑化してきているのが現状である。
特に放射線による診断の確立には静的な所見より動的な機能的なものを必要とし,連続撮影,映画やテレビにまで発展し,設備や装置は大がかりなものとなってきている。そして読影診断に適した精度の高い写真を作ることが最も大切なことである。また,これらの機器管理や撮影は技師の業務であって,技師の技能と責任において十分に管理されなければならない。技師と言えどもそこに高度な管理技術の導入が必要となってくるであろう。一方医師の指示によって行なう撮影室の業務は技師間において「忙しい」との意識が極めて高く,日増しにつのり,その歪みは自然と放射線室にしわよせし,最終的には患者にまでその影響を与え,ひいては病院全体の運営管理に支障をきたす原因ともなり,放射線業務はますます煩雑となってくると考えられる。そこでまず,患者に対する直接的なサービスの一つとして放射線室における事務手続を中心として関係部門間との情報交換について検討してみる必要があると思う。
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