原著
集団生活における赤痢対策の1例
宮崎 貞雄
1
1国鉄志免鉱業所保健係
pp.542-544
発行日 1958年10月15日
Published Date 1958/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202032
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赤痢の社会的現象
法定伝染病全患者の70%は赤痢患者(31.8.2朝日新聞)であるということは,法定伝染病という領域の限界において赤痢は社会的に一種の普遍性をもつた伝染病という風にも考えられる。伝染病の普遍性とはおかしな表現であるが,然しながら戦後チブス患者の減少と相反比例して,赤痢患者の多発は恐るべき伝染病が一種の流行態を帯びた所謂諦観的思想に包まれることは極めて危険なことであつて,我々保健行政に携わる者の警戒を要することである。
私共の鉱業所地区では約3,100世帯,15,800人の集団生活帯の中に過去6年間,毎年100人内外の赤痢患者が発生して,恰も計数的には習性の様相をさえ呈している。一方町村においても赤痢発生が地方衛生行政のバロメーター視さえされる傾向が屡々見受けられる。
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