特集 病院におけるリハビリテーション
総合病院におけるリハビリテーション作業のあり方について
橋本 典美
1
,
佐藤 哲
2
1厚生省東北地方医務局
2国立仙台病院内科
pp.42-52
発行日 1965年5月1日
Published Date 1965/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202572
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はじめに
いうまでもなく,リハビリテーション作業には,専門の更生指導施設のみならず,診療所,総合病院,専門病院などの,いわゆる診療機関のすべてが,それぞれの立場において参画しなければならないものである1)2)。しかしながら,傷病者の社会復帰がより合理的に,しかもよりすみやかに行なわれるには,現在の日本の病院には改善を要する点が少なくない。そこで,そのうちでももっとも研究テーマに富む総合病院1)3)における作業のあり方について,私どもの見解を述べることにした。本論文中において,リハビリテーション作業とは,社会医学の立場から与えられる定義4)5)6)とおなじく,もっとも広義のリハビリテーションの概念に基づいたものであって,その作業内には,治療作業をも含むものである。したがって,治療とは別個の作業を行なうことを意味するものではなく,総合病院本来の機能たる治療作業が中心となって展開される,患者の合理的社会復帰促進を目標とするすべての作業をさす。そのうちには,むろん機能訓練や,アフターケア,フォローアップなども含まれるが,それらのみをリハビリテーションとよぶ立場はとらない。
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