ホスピタル・トピックス 診療管理
病歴管理
津田 豊和
1
1病院管理研究所
pp.85-86
発行日 1964年11月1日
Published Date 1964/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202463
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病歴(診療記録)の有意性については今さら論をまつまでもないことであるが,先進諸外国にくらべて,わが国の病院における病歴管理は全国的にみて,どうも立ち遅れているようである。ことしの6月に,病院管理研究所と日本大学駿河台病院の病院管理研究室との共同で,300床以上の病院,療養所的414か所におねがいして「病歴中央管理現状調査」を行なったが,完全に実施しかつ活用しているところは10%に満たなかった。しかし,ほとんどすべての病院,療養所はいずれも近い将来に病歴の中央管理を実施したいという希望をもっておられたことからみれば,わが国の病歴管理の前進も大いに明るいということができる。なおこの調査の詳細な結果については,後日本誌に発表する予定である。
またことしは病院管理研究所においても第1回病歴管理専攻科の研修会を6月から7月にかけて開催したが,全国から集まった医師・医事担当者,病歴担当者など24名の受講者は各分野の専門講師の解説聴講や虎の門病院・聖路加病院・日本大学駿河台病院などの実地見学に参加し,それぞれ熱心にかつ有意義に15日間を過ごされた。この成果はやがてそれぞれ特殊性を活かした病歴管理のモデル病院として日本の各地に花開き,実を結ぶことになるであろう。
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