ホスピタル・トピックス 看護管理
小児病棟における母親の付添—家族参加病棟のこころみ
K K
pp.86-87
発行日 1964年11月1日
Published Date 1964/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202464
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病気で入院する患者が恐らく強く求めるものは,近親者の心のこもった,思いやりのある看護であろう。とくになぜ入院しなければならぬかの理解に乏しい小児患者にとって,いかに「完全看護」の体制があろうとも,母親の看護を求めるものは大きいであろう。また母親はわが子が病気の時,家庭内では愛情と常識によって,多くの場合よき看護を行なっているのである。それならば,なぜ病院は小兎の入病に際して,この母親の力を無視してしまうのであろうか。母親の病院内での存在は,慣れない病院生活での小児の恐怖感をやわらげ,また母親じしんも子供の病気の実情をよりよく知ることによって,心配を少なくすることができよう。
米国ボストンのある小児病院では,増改築に先立って,将来の小児病院計画研究の一端としてこの点に注目し,「家族参加病棟』と呼ばれる実験病棟を新設して,そこで家族が・医師・看護婦とともに医療ティームの一員として病児のTotal Careの向上に好成績をもたらしつつある。
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