霞ガ関だより
医学的リハビリテーションの問題
T.S
pp.90-91
発行日 1964年10月1日
Published Date 1964/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202446
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新しい医療の概念によれば,国民の健康水準の向上をはかるためには,健康の増進,疾病の予防,治療,リハビリテーションにわたる総合的な保健事業の推進が不可欠のものとされている。
このなかで,その第四相をしめるリハビリテーションについては,近年わが国でも部分的に漸次進展をみせているが,保健事業の他の部分に比較すると,いちじるしい立ち遅れをしめしている。これは,医学の分野においてもこの領域の技術的な発達がおくれたこと,わが国の社会経済的な状態が身心障害者の更生,雇用を促進する気運になく,リハビリテーションの需要を生むにいたらなかったことなどのほかに,この分野が行動的にも多岐にわかれていて,体系的な推進計画が立てられなかったことなどがあげられる。
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