特集 看護
看護の実際
1.チーム・ナーシングについて
チームナーシングの考え方と実際
塚本 蝶子
1
1病院管理研究所
pp.49-57
発行日 1962年7月1日
Published Date 1962/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201948
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1.その由来
病院入院患者に対する看護体制が,主として受持看護という形で発展してきた米国において,近年,専門職業看護婦の不足という問題が起こってきた。そして,非専門看護職員が准看護婦あるいは看護助手などの名で,しだいに看護業務の一端に介入してくるという現象があらわれてきた。このことによる看護の実質の低下を防止することおよび手元にある看護婦をはじめ,非専門看護職員の能力や分に応じての最大の能率効果をあげての入院患者の看護を行なうために,それぞれの病院ではいろいろなくふうがなされてきた。病院ベットの急増や医療の一般化は米国のみにこの現象をきたしたのではなく,現在の世界各国で直面せざるを得ない大きな問題になっているのである。日本においても,病院看護婦の不足はしだいに社会的な問題にまで発展していく傾向にある。米国では,すでに今から13年前の1949年にこの点を重大な問題として注目して,専門職業看護婦の任務をより明確に分析し,その最大の能力を発揮するための試みや,また,非専門看護職員にゆずり渡してゆくべき業務を分化すること,或はそれらの補助看護職員の統率と管理監督を十分に行なうための看護体制の実験がはじめられたのである。つまり,チーム・ナーシングは,よりよいそして「最も効果的な患者中心の看護を行なうためには,看護要員をいかに組織したらよいか。
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