固定欄 人事管理
人事管理以前のはなし
Y.I.
pp.310-311
発行日 1962年4月1日
Published Date 1962/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201912
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世界を旅行するのに,「Thank you」と「Excuse me」の2語を知っていればこと足りるというのは極端なはなしであるが,一面の真実はとらえているともいえる。この論法を人事管理のうえに借用するならば,病院人事管理の第1歩は,まず「お早よう」と「ご苦労さん」の2語にあるといえないだろうか。学の蘊奥を極め(うんおう)病院管理の経験も深い院長さん方に,このような大それた仮定を申し上げることは不遜のいたりであるが,あえて,人事管理以前のはなしともいうべきこのようなことを取り上げるのは,近来数病院の職員と語りあってみて,「うちの院長さんは(あるいは医長さん,看護部長さん,事務長さんなど)いい人だが,朝廊下で会っても(こちらがお早ようございますと言っても)返事をしてくれない。せっかく張り切って出勤して仕事をしようと思っても,気勢をそがれて仕方がない」「朝の挨拶をしてくれないのはまだしも,廊下で会うと横をむいて通られる。私に何か悪い印象でも持っていられるのではないかと,ついひがんでしまいます」「院長さんに今朝は(やあお早よう)と言ってもらった,一日楽しかった」「うちの事務長はどんなに苦労して書類を作って持って行っても,(ご苦労さん)と言ったことがない。言いたくなければ言ってもらわなくともよいが,それでいでいものしようか」Etc, Ete。
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