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あとがき
吉田 幸雄
pp.320
発行日 1962年4月1日
Published Date 1962/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201916
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- 文献概要
本号は「病歴管理」特集としました。病歴管理は,アメリカをはじめ各国の病院管理では大きな課題です。本誌でも,もっと早くとり上げるべきテーマでしたが,ようやく先月号で座談会形式で序論を行ない,本号で本論的なものをとり上げることができました。ただし本号でのとり上げ方は,病歴管理の普及を目的としまして,病院管理を家際にはじめる際に,当然ぶつかる問題を主としてとり上げました。したがって,病歴管理をはじめようとする方の手引のようなものです。巻頭には,小生が病歴管理が歴史的にどのようにはじめられ,そして現在英米ではどのような現状にあるかを説明して,日本でもこの方面の実践が普及されることをうながし,次に室賀先生が実際に都立病院の病歴管理を創始するために必要な諸記録の統一に生みの努力をされた経緯をご報告願って,どのように経営主体や医局の人びとの協力をえるために諸問題があるかを読者に知っていただき,次に聖ルカ病院で実際に病歴管理をなさっておられる栗田女史に,中央病歴室自体の管理もまずここまではどこでもできるというところを解説していただき,さらに看護記録の作り方を増永婦長さんに書いていただきました。
室賀先生は,病歴管理をぜひ都立病院で実施しなければならぬと決心され,それにはまづ記録のformを統一することから努力をされました。これを実行にうつすには,医師の協力がまずなければならないでしょう。
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