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病院医師の出身校と勤務機関所在地との関係について
車田 松三郎
1
1東北大学医学部病院管理学教室
pp.361-365
発行日 1961年5月1日
Published Date 1961/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201798
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以上病院勤務医師の医育機関出身分布状況をみてきたが次にこれを要約すると
1.明治,大正時代に設立された医育機関の出身者がかなりひろく分布している。
2.医大(医学部)と医専(附属医専)との出身者では多少異り,前者は後者に比して,地元以外の地域に進出している傾向が大きい。
3.地域と医育機関との関係はかなり密接な関係にあるものと思われる。それは入学者が地元に多く,医師人事が医長,院長によつて医育機関中心に行われ,また研究も継続的に行われるという医育機関の性格によるものと思われる。
4.特定の地域に同一医育機関出身者が多いのは第1に年代が古い(東大,九大など),第2に地域において,他に医育機関が少ない(北大,東北大,九大,新大など),第3に他から赴任希望者の少ない(北大=北海道),第4に医育機関の性格によると思われる(医大が独占的傾向が強い)などがあげられる。
5.特定の地域に特定の医育機関出身者が多くみられるのは医師の人事の特徴に関係があるものと思われる。
6.院長については医大出身者が圧倒的に多く,医専出身者はごくまれにしかみられなかつた。
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