提言
看護大学校,看護専門学校,ならびにその看護教育のあり方についての提言
下山 正徳
1,2
,
櫻美 武彦
1,3
1全国国立病院・療養所附属看護学校協議会
2国立名古屋病院
3国立南九州中央病院
pp.464-466
発行日 1998年5月1日
Published Date 1998/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902418
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はじめに
医療は時代とともに変化し,その時代の要求に応えていく必要がある.医療の分野でも量の時代が去って,質の時代が到来しているのはいうまでもない.看護婦の問題も,看護婦が足りないという時代は過ぎて,質の時代に入ってきた.医療技術も高度化し,看護についても各分野の専門職や研究職のほか,全人的ケアの必要性が叫ばれている.一般国民も高学歴化が進んでおり,看護婦も医療の場面では高学歴化した一般国民を指導するという立場になるのであるから,当然看護婦も高学歴化していないのはおかしいということになる.
このような単純なことからいっても,また医療技術が高度化し,各種の専門看護師,認定看護師,研究看護師(リサーチ・ナース)が必要になる時代になっているということからいっても,これらの看護師は大学院(修士)を出ていることと,一般教養,看護の専門的知識や技術,十分な実務経験などが必要条件になる.一方,国立病院・療養所では,医療の分野における国家の危機管理や積極的国際貢献,国が定める政策医療の分野で戦略的な高度先駆的医療や重要な医療政策を実践する必要があり,政策医療や医療政策の各分野で高度先駆的医療の知識を持ち,優れた臨床看護実践能力を備えた看護職員を自ら育成していくことが必要である.したがって,厚生省の管轄下の看護大学校を設立することは,極めて急務であると考えてよい.
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