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成人病対策における病院の役割(第1報)
山形 操六
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1厚生省公衆衛生局企画課
pp.403-409
発行日 1959年6月1日
Published Date 1959/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201517
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I.はしがき
従来わが国の国民死亡のトップを維持してきた結核が,化学療法・手術療法・放射線療法等の改良によつて毎年その死亡率は下降を示し,昭和26年,ついに首位の座をゆずり,昭和32年には第6位にまで転落した。死亡率は減退したが,患者そのものの減少まで実現したわけではない。然し誠に祝福されて良いことだと思う。
この反面,高血圧症(主として脳卒中)・悪性新生物(癌等)及び心臓病による死亡が結核に代つて上位を占めるようになつた。即ち慢性の疾患として,40歳〜60歳台の所謂"働き盛り"の階層に多い疾病であるが,成人時代より注意を要する点から"成人病"と名づけて,国もその対策を講ずべく,現在種々審議を重ねている現状である。
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