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研修所だより
石原
pp.157
発行日 1958年2月1日
Published Date 1958/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201327
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今年も皆さんから,多数の年賀状を戴きました。その1枚1枚から,宇宙世紀第2年目に入つた,今年の新しい抱負等拝見しているうちに,何時の間にか昭和33年という呼称にもなれて,又平常の歩みが坦々と始まつているようです。真の進歩は,何も常に異常から生れるものとは限らず,寧ろそうした平常の歩みのうちにこそ,徐々にはぐくまれて行くものなのかも知れません。
研修所も,数え年で10歳を迎えました。まだ敗戦の混乱のおさまりきらない昭和24年,国立東京第一病院の片隅に,勿々のうちに誕生した当時のことを思えば,10年の歳月は矢張りそれなりの前進を与えてくれたものと言えましよう。吉田主事以下研究スタツフ6名,佐藤事務官以下事務職員6名という同勢は,これでも発足当時に較べれば,人員の大した充足と言えます。然し,「病院管理」というテーマの広さ,複雑さ,難しさから言つて,それだけの人員ではどうにもならないことは余りにも明らかでありまして,其処にわれわれの尽きない悩みもあるわけです。
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