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イギリス病院原価計算(4)
山元 昌之
1
1大阪学芸大学事務局
pp.109-118
発行日 1958年2月1日
Published Date 1958/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201321
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(16巻11号・12号・17巻1号連載)
病院原価計算は,特別原価調査ではなく,常規的行務として行われるものだから実践性に注意を払わねばならないものだが,イギリスでははやくからこれと財務計算及び比較計算との関連において考察を重ねてきている。
新らしい病院会計制度の確立が,近い将来の重要な課題であるわが国にとり,イギリス病院原価計算は最適の参考資料であり,研究資料である。
イギリスの病院原価計算制度は,1869年にBirminghamのQueen病院ではじめて作られたが,1950年に,保健大臣は,病院の完全な原価計算組織を立案するため,the King Edwar-d's Hospital Fund for Londonとthe Nu-ffield Provincial Hospitals Trustを招いて調査を行つた。両者の報告は一致した結果もあり一致しない点もあつた。しかし何れもその目的は,原価計算制度が病院に導入されうるか否か,できるとすればその組織は如何にあるべきか,を結論づけることであつた。
大臣は両者の報告を検討して,項目別会計組織を廃し,部門別単位原価計算を採ることに賛成し,1955年に病院原価計算制度企画作業班を編成して,実際的な部門別の単位原価計算制度を企画する仕事を課した。
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