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病院洗濯の問題点(I)—委託制等について
佐々木 澄夫
1
,
平永 貫哉
1
1厚生省医務局国立病院課
pp.69-76
発行日 1962年11月1日
Published Date 1962/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202008
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現在の病院洗濯における問題点として第一にあげられるものは,最近開設したいわゆる洗濯設備が完備し,洗濯の専門的な基礎知識を十分にもった,低年令層の従業員で構成された近代的病院と称されるグループの病院はいざ知らず,開設してから10数年を経た古い病院において,管理者の最もゆき悩んでいる点は,高年令層の従業員が次第に多くなってきたことに伴う能率低下と,それにひきかえ給与額が高額になり,更には洗濯原価が高くつくことであろう。高年令層の従業員が多くなったことは何も洗濯業務だけに限った現象ではないが,洗濯或いは調理といったような専門的技術を要する現業部門の中労働作業を要する職場においては,特に最近すすんだ新しい機械,器具,材料等の導入による,新しい技術導入に困難を伴うため,能率の向上に支障を感じることが多いといわれる。
この原因の一端は,さかのぼって病院開設当時の管理者にも責任があるのであって,洗濯業務をいたづらに軽視して,間に合せ的な人事をしたと思われる病院施設が多いことであろう。
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