病院管理講座 実務編・6
病院洗濯業務の実際
吉川 遼子
1
1関東逓信病院
pp.83-87
発行日 1963年6月1日
Published Date 1963/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202145
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病院洗濯の必要性について
病院の環境整備面をつかさどる業務を大きく分けると,保清業務と洗濯業務の二つに一応分けられる。病院における洗濯の実際について考える時,私はそれが直営であっても,また外部へ外注の請負であっても,病院の洗濯とは,どんなもので,一体何を目的とするかを,根本から知って,とりかからねばならないと思う。病院の洗濯業務は,各病院のシステム,設備,方針等によって,多少異なってくるので,いちがいには言えないが,病院において,被服および寝具関係のリネン類を管理し,洗濯業務等を行なうことは,とりもなおさず,入院患者へのサーヴィスであると共に,病理管理上からも,医療面等の業務が,清潔かつ衛生的に行なわれている病院運営の現われでもあって,まことに重要なことである。したがって,その任にあたるハウスキーパーの任務は,なかなか重くつねに,この理念を念頭において,その作業を全うするよう努めなければならないのである。
昔の病院は,とかく治療そのものに,重きをおいて,患者がそこにおいて,治療をしながら生活するという場所ではなかった。しかし,最近の病院管理は,治療と共に,患者に対して,病院というところは,生活する場所として,取り上げられるようになってから,清掃面はもちろん,終日暮らす,病床のリネン類にいたるまでに心を配り,昔とは,見ちがえるようになったことは,まことに,喜ばしいことと言えよう。
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