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あとがき
K
pp.64
発行日 1956年12月1日
Published Date 1956/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201182
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今年も押しつまつて余すところいくばくもない。誰しも年の暮には過ぎ来し方を一応は振りかえつてみたくなるものであるが,今年も思えば多事な一年であつた。昨年からもち越された新医療費体系の問題は漸く最近一旦上げた棚から下されて目下専門部会でもんでいる最中であるし,赤字財政の帰趨を賭けた健保法改正はどうしても年内には片がつきそうにない。社会保障の一環としての医療保障制度の確立ということ共に,新内閣への置土産となる運命におかれている。
本年は本誌の発行が大変遅れて読者各位に多大の御迷惑をかけたことについては深くお詑びしなければならない。年末をめざしてのラストスパートが効を奏して本号が年内にゴールインすることを念じている。本号は座談会とグラフと診療設備基準以外は凡て寄稿である。専門医制度を廻る座談会は前号よりの続きであるが,議論がいよいよ本制度の核心にふれてきたので,ネツト裏からの御感想なり御意見をきかせて頂くことができたら幸いだと思う。内藤氏の「アメリカの血液銀行」も前号の続きであるが,具体的な計数もまじえての報告であちらの実情をよくうかがうことができる。目下わが国の血液銀行は野放しの状態にあり,正しい育成の方法が問題にされている折柄時宜に適つたものと思われる。但しこれは病院外の血液銀行であるので,院内限りのものについては診療基準が御参考になると思う。
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