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Doctors' Taperecord
K
pp.62
発行日 1956年12月1日
Published Date 1956/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201181
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Open SystemとClose System
言葉というものはそれの使われる場合,人或いは国によつて屡々ニユアンスの違うことがあるものであるが,戦後わが国で屡々使われるようになつた病院のOpenSystemとClose Systemという言葉の概念が外国,特にアメリカにおけるこれらの言葉の概念と必ずしも一致していないということが,Dr. Crosbyの説明によつて明かにされた。即ち,われわれの用いて来たOpenSystemの概念は.昭和23年に公布された医療法(第35条)にいう所の「建物の全都又は一部,設備,器械及び器具を当該公的医療機関に勤務しない医師又は歯科医師の診療又は研究のために利用させる」ことであつた。これに対し,アメリカにおいては,病院の施設を医師に利用させる場合,何らかの規定乃至基準によつて医師を詮衡する場合がcloseであり,何らの制約もなく自由に利用させる場合がopenだというのである。以下Dr. Crosbyの説明を要約して御参考に供するとしよう。
アメリカでは,病院医師の勤務体制が2つに大別される。その1つは月給制(日本と同じ)でこれはfull time systemと呼ばれ,大部分の国営(federal)の病院がこの式をとつているが国営外で有名なものにはMayoClinicやシカゴ大学病院がある。もう1つはpart time systemと呼ばれ,医師はその報酬を患者から直接支払われることになつている。
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