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病院における病類別患者統計作成方法に関する研究(1)
三神 芳彦
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1東北大学医学部公衆衛生学教室
pp.21-26
発行日 1956年2月1日
Published Date 1956/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201065
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緒言
病院における外来又は入院患者についての病類別患者統計は,病院において作成されるべき各種統計のうちでも,最も基本的のものでなければならないのであるが,現在大学病院においてこの種の統計が作成発表されている例は,各国を通じて殆んどみられない。この最大の理由の1つとして患者統計作成に必要な各種の規約が,未だ整備されていないことがあげられる。こんにち,死亡統計の作成に関しては,相当完備した国際規約ができており,国際的,地理的に比較可能な統計が作成発表されているが,疾病統計には未だみるべきものの少いのも,同じ理由による。
病類別患者統計作成に必要な規約が整備されるためには,規約の作成を必要とする問題の種類と所在を,まず考究する要がある。筆者はこの点を究明するため,東北大学医学部附属病院における外来及び入院患者を材料とし,これによつて病類別統計の作成を試み,統計作成上直面する諸問題の所在を明らかにし,これらに対して一応の提案を試みることにした。この提案は,これらの問題の觧決に論拠の資料を与えるためのものであり,必ずしも理想の觧決案を提出したものでないことは勿論である。
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