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新しい入院料の解説
岩田 佐文
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1厚生省醫療課
pp.11-13
発行日 1952年3月1日
Published Date 1952/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200453
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まえがき
入院患者の治療には最も優れた醫學的な技術が必要であることは論を俟たないところであるが,熟練した暖い看護と治療の一環として充分考慮された患者食の給與とは患者の治療上,根本的な基盤をなすものであつて,恰も車の兩輪にも例えられ,患者の治療及び療養上極めて重大なことである。醫療の原價計算はその性質上一般製造工業におけるそれと比較して極めて難事に屬するが,しかし誰もが一應肯ける醫療費の原價を算出し,推進することは社會保障確立の見地から目下の急務であり,又當然解して行かねばならぬ問題である。
この意味において入院治療の重要な要素をなす入院料,即ち入院治療を行うために必要な基本的な經費について新たに,原價計算方式に基いた幹事案が去る12月27日の第6回中央社會醫療協議會に提出され,その内容が明らかにされたことは極めて意義深いことであつた。會議は結局まとまらなかつたので,厚生大臣は同月29日幹事案に基く入院料を決定告示した。
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