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病院防火對策覺書
山元 昌之
1
1滋賀大學事務局
pp.14-20
発行日 1952年3月1日
Published Date 1952/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200454
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I
過日は新潟の大學病院本館が燒失したという放送を聞いて愕然としたのであつたが,今朝又,釧路市立病院約1,600坪全燒との放送である。病院當局者が常に最も心配しているものは火災である。從つて防火對策が病院管理の重要な1項目とたる。Stone氏のHospital Organization and Managementにも"Fire Prevention"として,これに1章を割いている。(本誌第3巻第5號,拙稿,病院經營文献について參照)病棟には深夜でも誰か眠つていない人がいるので,早期に發見されるため初期防火の程度で處理される場合が多いが,本館や研究室方面から出火した場合には往々にして大事に至るのが在來の例である。又本館には外來診察所が含まれているのが普通だから,醫療器械設備の損害も大きいわけである。極端な場合には,診療機能が1時間的にせよ停止するようなことにもなる。幸い,新潟では翌日から外來診療を開始されたそうであるから,これは不幸中の幸であつた。我々はこの新潟や釧路の不幸を,他山の石として,再びこの轍を履まないように,この際各自の防火對策を振返つてみることが必要であろう。又本誌にも,これまで病院防火對策に關する記事は1度もなかつたようである。この面にも注意が拂われてよい時であろう。
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