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病院に於ける色彩調整—醫術と管理の向上のために
木村 俊夫
1
1茨木大學
pp.19-30
発行日 1952年2月1日
Published Date 1952/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200440
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1.色彩調整とは何か
定義
建物,乘物,機械,器具,標識,被服,什器等等の對象を,それが我々の生活體系に於いて占める意義をよりよく發揮せしめ,我々がそれより容易に正しく適應し得るように,對象の意義を洞察すると共に色彩の機能に關する知見を利用することによつて,合理的且つ全體計畫的に彩色することを色彩調節と云う。
それは,我々の生活體系に於いてそれぞれの意義を持つ對象を,我々の生活目的の下によりよく統制することでもある。從つて,色彩調整は我々の行動環境の調整に關する一種の技術である。對象の意義の洞察は多く良識に基き,色彩の機能に關する知見は嚴密には色彩科學によつて與えられる。この洞察と色彩科學が結合するとき彩色工學が成立する。色彩調整はこの彩色工學に支えられねばならぬ。
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