--------------------
結核病棟に於ける「喀痰處理に件う經費計算」
加倉井 駿一
1,2
1厚生
2醫務局療養所課
pp.22-26
発行日 1951年9月1日
Published Date 1951/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200376
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.まえがき
結核の傳染源の一つである喀痰の處理については家庭に結核患者が居る場合は勿論現在の日本の病院では設備その他の關係から重要な課題の一つになつていることであろう。下水道が完備し水洗便所等が設備された病院に於ては比較的簡單に處理されることであろうが下水道の不完全な日本に於て而も汚水淨化裝置の殺菌作用が再検討されつつある今日病院の汚物處理汚水處理の問題と共にもう一度考え直さねばならぬ事である。入院料の大部分が健康保險點數計算に依存しているのであるから入院料の分析と共に考慮されねばならぬ問題である。結核患者の入院料中にはこの經費が考慮せられているのであろうか。恐らくかかる問題は考慮せられては居ないのではあるまいか。ただ漠然と隔離消毒のために二點位の加算が必要であろうという勘で決定されたと考えてもよいと思う。今後は是非共勘によらず事實に基いて正當な料金が決定されねばなるまい。
今回我々は料金問題は無關係に病院管理上この喀痰處理の經費を原價計算的に計算して見たので發表させて戴くことにした。この外いろいろの問題があると思われるので先に我々の發表した原價計算要綱試案について研究したいと考えている。
Copyright © 1951, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.