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綜合大病院と健康保険診療(上)—一審査員の体験と感想
室賀 不二男
1
1豊島病院外科
pp.30-36
発行日 1950年10月1日
Published Date 1950/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200216
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私はこの一年余,東京都社会保険診療報酬請求書審査委員として毎月基金事務所で都内各綜合病院より集まる一万枚前後の請求書の審査にあたつている。更に国立病院,大学病院の健康保険診療指導懇談会に招かれ或は都保険課の指導監査を委嘱され各綜合病院の実相を見聞した。これ等綜合病院の健康保険に対する努力,誤解,困惑,希望等につき親しく知る機会を得た。
一方私は自分の勤務する都立豊島病院の外科医長として毎日健康保険診療にあたり,かたわら院内全部の健保事務の能率化を企図した。窓口で被保険者証を受とり,各科外来或は病室で診療録を記載し,事務室で請求書を作り之を基金に提出し,患者には被保険者証を返却する,これら一連の事務的処理を医師薬剤師看護婦及事務員の諸君と研究の結果,一案を作り本年2月1日より実施し,既に半ヵ年,相当満足する結果を得た。
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