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病院の超過勤務手当の問題
守屋 博
1
,
南雲 正良
2
1東一管理部
2庶務
pp.14-16
発行日 1950年9月1日
Published Date 1950/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200198
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戦争前は超過勤務手当は,病院では大して問題にならなかつた,それは比較的生活が楽だつたので,それぐらいの勤務は月給の内に含れていると考えたからである。戦争後は物価の値上りに比べて比較にならぬ程俸給が下る様になつた。従つて現在では大部分の俸給生活は基準給与だけでは生活出来ぬと云う状態である。又労働基準法が施行されて,雇傭契約が明瞭になると,多くの労働者の給与は,週48時間乃至48時間に対するものである事が明かになつた。従つて労働者は,48時間以外の時間は全然働く義務はない事になつた。若しそれ以外の時間に働いたとすれば,傭主は,それに相当する給与は,必ず支払わねばならぬ,管理者の方からは職場職種によつては緊急な仕事とか突発事故等の為に,時間外に働いてもらわねばならぬ事もあり,又その様な時は働く義務がある。と考えられる。
若し,超過勤務料が常識より下位の額にあれば,勤務者はつまらぬから,超過勤務をやりたがらぬ,したがつてどうしても働いてもらわねばならぬ場合管理者は命令するのに困らねばならぬ。逆に常識より上廻つた場合には,労務者はそうでなくても外の内職を引受けてやつている様な状態だから喜んで引受けて呉れるかわりに,希望者が多すぎてこれを公平に分配するのに管理者は骨が折れることになる。
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