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編輯後記
編者
pp.48
発行日 1950年5月1日
Published Date 1950/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200145
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- 文献概要
陽春5月。生命の喜びを感ずる月である。5月12日がアメリカの病院の日であることがうなづける。5月は1日のメーデーに始まり,いろいろの行事が世界中に繰りひろげられる。病院が必要欠く可らざるものであろことは何んな子供さえ知つていることであるが一般には親しみを感じていない。一般人はお寺はお葬式の時だけ,病院は病気になつたときだけにしか縁のないものと思つている。そこでお寺は別問題として,病院は確に病人の家で,病気のときだけにしが訪ねる必要のないものだろう。そして一般に人間は何時も「自分だけは病気にはならない」と思つている。こゝに,病院に対して一般に認識が欠け,病院事業の発展が阻害されこいる原因があるのではなかろうか。平常から病院に親しみを持たせ,病院を理解しておいて貰うことは,必ず病院の利益になるもので,亦病院の正しい宣伝は病院自身の社会に対する義務であろう。病院を普段から誰にも而も正しく見せて置くこと。——自信を以て。
医療法の一部が改正されて,医療法人が生れた。政府案が公布6ヵ月後に施行であつたものが,参議院で3ヵ月に修正された事は,一般に要望の強いものであつたことがうかがわれる。法人格を容易に得られ個人病院が社会性公益性を従来よりも強く認められる事になる。
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