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病院概史(その6)
pp.2
発行日 1950年3月1日
Published Date 1950/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200100
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20世紀に入つてからいろいろの医学の知識や技術が目覚ましい進歩を始め,自然それを応用する為に医療の殿堂として病院の要求が高まり,病院は歴史上空前の発展を途げる様になつた事は前号に述べた如くであるが,然し一方かくも新しい段階に発展した20世紀の病院の一つの特徴は,看護教育の進歩である,この発見過程をアメリカに於ける状態について述べて見よう。1890年には合衆国の有した看護婦養成所は35ヶ所に過ぎなかつたが,その10年後の1900年に432に増加した。然し当時の養成所の生徒の扱いは,丁度今迄の日本の看護婦教育の状態と同様に,低賃銀による看護力の補給の目的に養成所が利用されておつた。当時の看護婦は下女の様な取扱いを受け労働時間は長く,その地位については何ら理論的根拠を与えられていなかつた。
然し看護婦はお互いに組織を持つようになり,教育の改革を叫ぶようになつた。1910年には学校は1129に増加しているが,既に当時はその教育のし理論も非常に熱心に取扱われるようになつて来ている。この運動は,アメリカ看護婦協会(Ameri-can Nusrses Association)アメリカ病院協会及びアメリカ外科医士院(American collegeof surgeons)によつて支持された,看護婦教育全国協議会(National Leagne of Nursing Education)の活動にまつことが大であつた。
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