連載 世界病院史探訪・20
マルタ島の聖ヨハネ騎士団ホスピタル
石田 純郎
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1医療法人慈生会 介護老人保健施設くつろぎ苑
pp.835-836
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200025
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十字軍は,1096年から1272年までの間,聖地エルサレムをイスラム教徒から奪還するために,9回にわたり西欧から派遣された,武装したキリスト教徒からなる軍隊である.その中に,病院騎士団として知られる聖ヨハネ騎士団があった.彼らは傷病者の治療,貧困者の世話,聖地を訪れる巡礼者の保護を目的として,軍事侵略に先駆けて,エルサレムで11世紀前半にホスピタルを設立した.また,エルサレムに至る巡礼路の地中海東岸,地中海の島々にもホスピタルを建設した.
十字軍運動終焉後も,キプロス島,後にロードス島(ギリシア)に,聖ヨハネ騎士団ホスピタルは置かれた.オスマン・トルコ軍の攻撃により,聖ヨハネ騎士団は1523年にロードス島から駆逐されたが,1530年にマルタ島に安住の地を見出し,最初はビルグ(Birgu)地区にホスピタルを建てた.
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