連載 リレーエッセイ 医療の現場から
医療とITとモバイル端末
金井 伸行
1
1医療法人社団淀さんせん会 金井病院
pp.817
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200020
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
最近,「電車スマホ」「ながらスマホ」という言葉があるように,電車に乗っていても,歩いていても,実に多くの人がスマートフォン(スマホ)を使っているのを目にします.私自身もメールをチェックしたり,ニュースをチェックしたり,仕事の調べ物をしたりと,出先でも日常的にスマホを活用するようになりました.
でも残念なことに,10代,20代の若者を中心に,電車内でスマホを使っている人の半数以上が,どうやらゲームやLINEなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に没頭しているようです.最近の統計では,スマホ利用者の実に78%がゲームを利用しています(2013年12月,ニールセン社調べ).私は1975(昭和50)年生まれで,いわゆるファミコン世代.小学生の頃に任天堂のファミリーコンピュータが発売され,大ブームになりました.ゲーム好きの友達の家に行っては遊んだ時期もありましたが,親の厳しい目もあり,ゲームをする時間と宿題をする時間はしっかりと区別できていたように思います.近年,携帯型テレビゲーム機,さらにはスマホの登場により,家の各部屋はもちろん,外出先でもゲームができるようになってしまいました.また,SNSも,友達同士のおしゃべりや愚痴の言い合いに終始していることが多いのが実態ではないでしょうか.時間つぶしのつもりで始めたゲームやSNSに没頭し,移動中でも寝床でも携帯端末を手放せなくなっている人が急速に増えています.しかも,子どもだけでなく,社会人にも,そういう人が多くなっているようです.スマホはその依存性の高さから「現代のタバコ」だと言う人もいるほどです.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.