特集 チーム医療における病院薬剤師の役割
院内処方再考
星 北斗
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1公益財団法人星総合病院
キーワード:
医薬分業
,
ジェネリック医薬品
,
診療情報の共有
,
病院薬剤師
,
門前薬局
Keyword:
医薬分業
,
ジェネリック医薬品
,
診療情報の共有
,
病院薬剤師
,
門前薬局
pp.784-788
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200011
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■医薬分業の理想と現実
そもそもわが国においては,なぜ,そして誰のどんな希望や要求によって医薬分業を始め,推進したのだろうか.本当に患者が望み,その望みを叶える方向に進んできたのだろうか.最近そんな疑問が湧いてくる.重複投薬,同時投与禁忌薬の回避や生涯にわたる服薬管理の重要性や意義を否定はしない.しかし,それができる環境を整えてきたのだろうか.いわゆる“門前薬局”への集中や患者の病名や経過などの医療情報なしでの服薬指導は,これほど高い調剤料を払う意味があるのか全く疑問である.医薬分業理想論の背後には,医師による不要な処方と調剤が医療費を高騰させるという批判があり,さらに「複数の医師による秩序ない処方と調剤による服用は患者にとって危険である」との指摘がある.多剤投与による副作用問題や複数の医療機関から受ける重複調剤がマスコミを賑わしたあの頃,大きな容器にさまざまな医療機関から受け取った薬袋を無造作に入れ,その患者(とりわけ当時自己負担の少なかった高齢者)が「適当に飲んでいる」と発言した場面は今も忘れられない.
現在でもなお,診察や診断など医師の頭脳で行われる高度な判断などを含む「技術料」は評価が低く設定される一方で,薬価は販売価格を保証し,仕入れの安さはその差額の利益を生むという構造がある.また,医師の「技術料」が低く抑えられる一方で,調剤技術料は格段に高く設定されるという,診療報酬による医薬分業への「誘導」が続いている.
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