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今月の特集 微生物検査と臨床推論
診断エラーと微生物検査
Diagnostic errors and microbiology testing
渡 智久
1
1亀田総合病院臨床検査部
キーワード:
診療情報の共有
,
検体採取
,
Gram染色
,
血液培養の汚染菌
,
血液培養陰性心内膜炎
,
BCNE
Keyword:
診療情報の共有
,
検体採取
,
Gram染色
,
血液培養の汚染菌
,
血液培養陰性心内膜炎
,
BCNE
pp.654-661
発行日 2023年6月15日
Published Date 2023/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203326
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Point
●診断エラーは,医師と臨床検査技師のコミュニケーション不足が主要因で思い込みや思い違いが発生することで起きる.
●Gram染色は染色手技が簡便で,しかも短時間で実施できることから迅速検査として感染症診療に利用されているが,染色不良や染色所見の解釈など,個人差や技術間差によってエラーを起こしやすい検査である.
●通常は,血液培養の汚染菌と考えられている皮膚の常在菌であっても,重症感染症の起炎菌になりうるため,先入観による汚染菌の判断は避けるべきである.
●血液培養陰性であっても感染症を否定することができないため,医師との診療情報の共有によって病原体診断に結び付けることが重要である.
●従来のGram染色による起炎菌推定の思考プロセスを活用して推定結果を導き出した後,さらに臨床的な有用性が得られると判断した場合にのみ多項目同時核酸検出検査を実施したほうがよい.
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