特別記事
ヨーロッパの医療福祉建築の動向―ロンドン・シュトゥットガルト・パリ視察より
山下 哲郎
1
1工学院大学建築学部建築学科
pp.388-394
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102782
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本稿では,一般社団法人 日本医療福祉建築協会が隔年で実施している,海外医療福祉建築研修について,その2013年の視察概要を報告する.視察は,2013年10月3日(木)から10月13日(日)の11日間で実施し,英ロンドン・独シュトゥットガルト・仏パリの3都市を訪問した.
それぞれの国の医療制度についての詳細には立ち入らないが,英国が税による国営医療,独国・仏国がともにわが国同様の医療保険による運営である.また,わが国と比較したそれぞれの国・都市の概要は,表1,2に示すとおりである.
今回訪問した施設のうち,本稿では主に下記の6施設について写真を交えて紹介する.
①Central Middlesex Hospital
②Schwarzwald-Baar Klinikum
③Diakonie-Klinikum Stuttgaart
④Rems-Murr-Kliniken
⑤Zollernalb Klinikum
⑥Centre Hospitalier François Quesnay
推論の域を出るものではないが,ここでは時間軸を設定する形で,視察先の病院建築について,いくつかの論点に絞って概観してみたい.なお,以下に本文中で挙げる病院名は,写真の施設概要に示した番号とともに簡略化して表記している.また,今回訪問した他の施設については,文中に(※)を付して挙げている.
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