旅行記
ヨーロッパ旅行記(第3回)(パリ)—パリ国際学会落穂集
西端 驥一
1
1慶応大学
pp.899-902
発行日 1965年9月20日
Published Date 1965/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203491
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この記事は,最も内容に乏しく,こぼれ話と毒舌との寄せ集めに過ぎない。併しなんらかの意義があろうと思う。なぜそうなつたかと言うと,ドイツでの講義と写真撮影と録音とでパリに着いた時は身体に違和を感じてホテルで寝込んでしまったからである。考えてみると馬鹿なことをしたもので,35ミリかめら2個,8ミリ撮影機録音機(ミニホン)をかついで旅行したのである。ミユンヘンのドクター連中が「西端があの齢であんな旅行をしていてはパリにつくまでに倒れるぞ」と言つたと聞いたが本当であつた。それよりも困つたのはそのために学会の演説を殆ど聴かなかつたことだ。こんな状態で仕方がないから自分の演説と高橋,荻野両氏の映画供覧の時だけ会場にでかけた。誠に恥しい仕儀であつた。それで記事の殆どが又聞きであるらかそのようにご承知願いたい。
それはそうとしても,真面目に出席したつて一人では学会の全般を掴むのは容易でない。そこで私は考えるのだがこの次の学会では日本の代表者は分担者を決めて学会での収穫を帰国後報告するとよい。そうしたら全国の会員のためになると思う。文部省に旅程や費用だけ報告したつてなんにもならない。
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