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書評 医学教育を含む医療者の教育に携わる人に薦めたい一冊―阿部 幸恵(編著)『臨床実践力を育てる! 看護のためのシミュレーション教育』
大滝 純司
1,2
1北海道大学大学院専任教授・医学教育推進センター
2東京医科大学兼任教授・総合診療科
pp.240
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102739
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「看護のためのシミュレーション教育」は,琉球大の阿部幸恵教授の編集による,シミュレーション教育の解説書です.日本でも海外でも,医療関係職種の教育にシミュレーション教育が急速に普及してきている中,この領域について学ぶ指導者,教育関係者にお薦めの一冊です.
本書の第一の特長は,収められている内容の幅広さです.医療においてシミュレーションが重要になっている背景はもとより,その教育を理解する際に踏まえておくべき教育や学習に関する理論の概要が,過不足なく紹介されています.また,看護教育だけでなく,医学教育や薬学教育におけるシミュレーション教育についても,それぞれの領域の分担執筆者による解説が載せられていて,領域横断的に俯瞰することが可能な構成になっています.さらには,シナリオを作成する手順や要点,それを用いて演習などを行う際に役立つ教育技法,そしてそのような教育を実現するための環境づくりまで,丁寧に述べられています.最終章には,看護教育で実際にそのまま使える多様なシナリオが8編,掲載されています.
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