連載 アーキテクチャー 第218回
淀川キリスト教病院
湯淺 篤哉
1
1株式会社大林組 大阪本店 建築設計部
pp.168-175
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102468
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■建設経緯
戦後間もない1949年,創立者ブラウン医師が米国南長老教会外国伝道局から日本へ派遣され,病院建設の候補地として西日本各地を調査し,在日本南プレスビテリアンミッションに報告した.設立準備委員会は会議を重ね,日本第二の都市・大阪市中心部に程近く,戦争の被害も甚大で医療過疎地となっていた大阪市東淀川区淡路に土地を取得し,1955年にまず淀川基督教診療所を開設した.その後,病院開設の認可が下りた1956年76床の淀川基督教病院が設立された.
2000年の医療法改正を機に建替計画がもちあがり,近隣用地取得・現地建替えも模索したが条件が合わず,遠隔地への移転も模索し始めた.2007年近接地への移転を望む地域住民約55,000人の署名もあり,旧病院から約600m南側の大阪市浄水場跡地が購入取得可能となった.地元大阪では「淀キリ」の愛称で親しまれ,地域密着型でありながら救急医療・急性期医療を提供し続けてきた淀川キリスト教病院は,分散配置されていた旧病院から新病院に移転統合されることとなった.
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