人
淀川キリスト教病院長フランク・エ・ブラウン先生
藤森 速水
1
1大阪市立大学
pp.18
発行日 1973年2月1日
Published Date 1973/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204903
- 有料閲覧
- 文献概要
わが国に数少ないキリスト教の病院として,大阪の淀川キリスト教病院は昭和31年2月21日,宗教法人として設立が認可され,爾来今日まで18年間院長を勤めておられるのがブラウン先生である.先生は1915年,北米合衆国テンネッシー州アシュヴィル市に生まれ,デヴィドソン大学で理学士の学位を獲得して生物学を教えたことがある.1942年ミズリー州セントルイス市大学医学部卒業,M.D.をとられ,その後内科,外科,産婦人科,皮膚科,結核,伝染病,麻酔学につき各科12か月ずつ合計7年間にわたりインターンシップをとられたことは,日本の医師ではまねのできないことであり,将来院長としての病院管理の下地が,すでにこの時から涵養されていたということができよう.その後,北海道,東北地方軍政部公衆衛生勤務後,さらに外科学を専攻し,アメリカ南長老教会外国伝道局から医療宣教師として中国,日本に派遣されたのである.
先生は日本の医師国家試験にも合格し,日本語もじょうずであるが診療上には英語を使い,病院は米国式であるから若い医師で米国へ留学する準備の研修には好適な病院である.‘癒しの奉仕に依り人の救と神の栄光の為にこれを棒げる’ということを病院のモットーとし,‘医師は患者のために在るのであって,患者が医師のために在るのではない’というのが先生の基本的医療理念である.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.