提言
DPC/PDPSにおけるⅢ群病院の分類方法に関する検討―パフォーマンスに基づく病院評価の必要性
美原 盤
1
,
内田 智久
2
,
小林 真里子
3
1公益財団法人脳血管研究所附属美原記念病院
2公益財団法人脳血管研究所附属美原記念病院 医事課
3公益財団法人脳血管研究所附属美原記念病院 診療情報管理室
pp.910-913
発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102397
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
社会保障・税一体改革実現の第一歩と位置づけられた2012年度診療報酬改定において,DPC/PDPS(Diagnosis Procedure Combination/Par-Diem Payment System)対象病院は,各病院の診療機能や施設特性に基づいてI群(大学病院本院),Ⅱ群(I群に準ずる病院),Ⅲ群(I,Ⅱ群以外の病院)に分類された.これら医療機関群の設定は「同様な機能的特性を有する」ものであり,「同程度の医療の標準化や効率化を促進する観点」から実施するものとされている1).
各群の病院数は,I群80施設,Ⅱ群90施設,Ⅲ群1355施設であり,Ⅲ群病院が突出して多い.これに対し,同一群内の各医療機関の多様性については,機能評価係数Ⅰ(構造的因子への評価),Ⅱ(診療実績や医療の質的向上等を評価)で評価するとされている.しかし,例えば当院の医療機関別係数の内訳では,基礎係数(基本的な診療機能に対する評価)が72.5%を占め,機能評価係数Ⅰと機能評価係数Ⅱおよび暫定調整係数の合算値は,当院の機能評価係数Ⅱが全DPC/PDPS対象病院中最も高いにもかかわらず,30%にも満たない.出来高請求分を含む保険請求総額における割合では,わずか16%にしかならず,基礎係数との差は歴然である(図1).
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.