連載 リレーエッセイ 医療の現場から
エコーで褥瘡を診る
水原 章浩
1
1医療法人 三和会 東鷲宮病院
pp.935
発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102403
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近年,高齢化の進行により寝たきり患者が増加し,それとともに褥瘡患者の割合も急増する状況にあります.褥瘡は圧迫の力によって生じますが,皮膚が圧迫されるとその部位がまず発赤します.損傷があっても真皮内にとどまっているのが「1度」と呼ばれる軽度の褥瘡で,圧迫を解除すれば短時間に改善します.しかし圧迫が続くと不可逆的な虚血性変化から損傷に陥り,潰瘍となります.これがいわゆる褥瘡です.
最近,表面上は傷がなく,軽症に見えるものの,実は深部の皮下組織に損傷が及んでいて,1週間ほど経過すると深い潰瘍が生じる病態が認識されるようになってきました.これがDTI(Deep Tissue Injury,深部組織損傷)という概念で,褥瘡が発症する前段階と考えられます.
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