特集 患者の医療情報探索
患者の医療情報探索をどう支援するか
郡司 篤晃
1,2
1聖学院大学大学院 人間福祉学研究科
2NPO医療の質に関する研究会
キーワード:
インフォームド・コンセント
,
患者中心の医療
,
協働の医療
,
納得
,
患者図書室
Keyword:
インフォームド・コンセント
,
患者中心の医療
,
協働の医療
,
納得
,
患者図書室
pp.262-266
発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102238
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
WHO(世界保健機構)の評価によれば,日本の医療制度は総合評価で世界第一位ときわめて高い1).また,国民の受診頻度は,欧米諸国のほぼ2倍以上である.しかし,一方で国民による自国の医療制度に対する評価結果を見ると,ヨーロッパ諸国に比べて,日本の評価はきわめて低い.2010年の報道によれば,国民の自国の医療制度に対する満足度は,スウェーデンで75%,カナダで70%,英国では55%が「満足」と回答したのに対して,日本は15%で,先進22か国で最低であった2).専門家から見た医療制度は世界一,医療の利用頻度も世界一なのに,国民はきわめて不満なのはなぜだろうか? このギャップについての分析はまだ行われていない.
現在,わが国では健康に関する情報が氾濫している.しかし,いざという時になって,どこに行ったらよいのか,誰に相談したらよいのか,必要な情報がきわめて乏しいことに気づく.人々は不安なのではないだろうか? 不思議なことだが,人はケアが必要になった時の準備をあらかじめすることができないらしい.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.