特集 患者の医療情報探索
患者の求める情報をどう体系化するか
山口 育子
1
1NPO法人ささえあい医療人権センターCOML
キーワード:
患者
,
医療情報
,
インフォームド・コンセント
,
情報の共有
,
協働
Keyword:
患者
,
医療情報
,
インフォームド・コンセント
,
情報の共有
,
協働
pp.277-280
発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102241
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■「情報さえあれば」と抱いた大きな期待
「賢い患者になりましょう」を合言葉に,自立し主体的に医療参加ができる成熟した患者を目指したい.そして患者と医療者のより良いコミュニケーションを確立しよう.そのようなことを目標に,NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(以下,COML)は1990年から活動してきました.活動は22年目となり,日常の活動の柱として耳を傾けてきた電話相談も5万件を超えています.医療不信がピークを迎えた1999~2004年に比べれば電話相談の件数は半減していますが,それでも全国各地から相談が届き,ここ10数年は少数とはいえ,医療者からの相談も届くようになってきました.
20数年にわたる医療や患者の意識の変遷を振り返ると,“医療情報”にまつわる問題についても大きく変化を遂げてきたと感じています.COMLが活動を始めた1990年当時,患者・家族にとって医療に関する情報は少なく,入手する手段も非常に限られていました.医療情報のほとんどは医師をはじめとする医療者が握り,伝えて支障がない内容や範囲だけを患者側(重い病気ほどまずは家族)に説明するのが一般的でした.
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