特集 自治体病院の存在意義
巻頭言
伊関 友伸
1
1城西大学経営学部マネジメント総合学科
pp.173
発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101904
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今年は,国民皆保険制度が確立した1961年から50年を迎える年にあたる.自治体病院の多くは,1922年に健康保険法,1938年に国民健康保険法が公布され,わが国に医療保険制度が確立していく過程で,地域に医療を提供するための施設として戦前から戦後の復興の時期に設置されている.自治体立の病院や診療所が設置されることで,国民の国民健康保険への加入が進み,国民健康保険への加入者の増加が,自治体立の医療機関の設置を促進するという循環を生んだ.
現在,医療保険制度は,国民の高齢化による医療費支出の増大と景気の低迷による収入の伸び悩みなどにより,保険会計の赤字などの問題を抱え,将来の安定的な医療保険体制に向けた見直しが行われている.
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