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本稿ではMSW連携入退院モデルについて4つの分析を行っている.第1の分析では,入退院患者で退院支援が必要なケースとそうでないケースの2種類に分類したケースミックス患者について,平均在院日数が,MSWコーディネート機能の介入によりどのように異なるかを分析した.第2の分析では,病床利用率がケースミックス入退院患者に対するMSWコーディネート機能の介入により,どのように影響されるかについて分析した.第3の分析では,ケースミックスに対するMSWコーディネート機能の介入が,平均在院日数を変化させ,入院収益にどのような影響を及ぼすかについて分析した.第4の分析では,入院収益増分に対するMSW機能投入資源の貢献度分析を行った.これらの分析により次のことが判明した.①ケースミックスの場合でも,MSW機能の充実により,平均在院日数の短縮が可能となるが,日数の短縮につれて,追加的MSWの増員が必要になる.このためMSWの機能充実がなければ,平均在院日数の短縮は困難になる.②MSWの支援が必要な患者数割合pのみが大きくなる場合,ケースミックス平均在院日数は短くなる.③MSWコーディネート機能を充実するだけでは,病床利用率が低下することもあるので,平均在院日数と病床利用率を目標水準にコントロールすることが重要になる.④MSWコーディネート機能は,平均在院日数と病床利用率に影響するので入院収益に関与する.⑤MSWコーディネート機能の入院収益増加分への貢献程度の測定可能なモデルが導出できた.⑥ケースミックス平均在院日数分析は,DPCの疾患の種類としても扱うことが可能であり,DPCへのMSWの役割・貢献も期待できる.また多種類のクリティカルパスのバリアンスを回避するためにMSWコーディネート機能の役割が期待できる.
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