連載 病院管理フォーラム
■DPCを軸とした病院の経営管理・8
コストを含めたDPC分析①―なぜ日本の病院でこれまでコスト分析が進まなかったか
高橋 泰
1
1国際医療福祉大学大学院医療経営管理学科
pp.62-63
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101619
- 有料閲覧
- 文献概要
昨年は,DPCのデータ活用について述べてきた.DPCデータ活用に関しては病院ごとに大きな差があり,データをほとんど活用していない第1レベル,分析はしているが現場でほとんど反映されていない第2レベル,分析結果が現場で反映されている第3レベルと,データ活用状況で病院を分類できるのではないかというような私見を述べてきた.また第1レベルの病院が第2レベルに,第2レベルが第3レベルになるために必要な条件を検討してきた.これらの話は,EVE(イブ),girasol(ヒラソル),Medi-Arrows(メディアロウズ)などのいわゆる「DPC分析ソフト」の活用に焦点を当てたものとも言える.
今月号から3月号にかけて,「コストを含めたDPC分析」と題し,DPCと関連したコスト分析ソフトに焦点を当てながらコストを意識した経営について述べる.本稿は,昨年の『病院』10月号の特集,「医療費の配分を問う」の中において筆者が担当した「疾病間の医療費配分は適正か」という小論をベースに執筆している.この小論において,今回紹介するDPCと関連したコスト分析ソフトを用いて,現在の診療報酬における診療科間や疾病間での有利不利の有無を検討することにより,現在の診療報酬の妥当性を検討した.興味のある方は,ぜひ参照していただきたい.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.