連載 ロボット技術と医療・介護・福祉・11【最終回】
【インタビュー】人とサイバニクス
山海 嘉之
1,2,3
1筑波大学大学院 システム情報工学研究科
2グローバルCOEサイバニクス国際拠点
3CYBERDYNE株式会社
pp.986-988
発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101586
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― 医療・福祉分野は,特に人とロボットが密接にかかわる分野だと思いますが,山海先生が研究されている「人・機械・情報系の融合複合」としての新しい研究領域,“サイバニクス”とは,どのようなものなのでしょうか.
山海 サイバニクスは,サイバネティクス,メカトロニクス,インフォマティクスという学術分野を中核とし,そこに脳神経科学,行動科学,ロボット工学,IT,システム統合技術,生理学,心理学,さらには倫理や法律,安全技術までが1つとなった学術分野です.
通常,学術―例えば工学や医学などですが―は細分化され,他の分野と接点をあまり持たない,細く,深いものとなっていきます.その結果,目的を達成するための学問ではなくなってしまう.でも,「何のための」が抜けたまま,研究や技術だけが独り歩きするのは,どう考えてもおかしいわけです.
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