特集 補完代替医療のこれから
アジア諸国の統合医療の現状
小野 直哉
1
,
西村 周三
2
1京都大学大学院医学研究科
2京都大学
キーワード:
伝統医学
,
医療資源
,
知的財産
,
統合医療モデル
,
医療・産業・科学技術政策
Keyword:
伝統医学
,
医療資源
,
知的財産
,
統合医療モデル
,
医療・産業・科学技術政策
pp.908-913
発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101569
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先進国の少子高齢化に伴う医療費負担の増大や発展途上国の人口増加に伴う末端への確実な医療の供給が問題となっており,経済的な理由やマンパワーを含めた医療資源の問題から伝統医学や相補・代替医療への関心が世界的に持たれている.また,一部の先進国やアジア諸国では,知的財産の観点から,健康サービス産業分野で世界に先んじるために,近代西洋医学による現行の医療分野に比べ学術的に未開である相補・代替医療分野に参入し,バイオテクノロジー等の最新の科学技術を駆使して,相補・代替医療の分野から有益な知的財産を見出し,特許を取得していく戦略を展開している.
一方,日本では少子・高齢化の加速は,年金や医療など社会保障制度全体の再構築や労働力の問題ばかりではなく,単なるモノ作りから,健康関連商品やサービスなど,健康をキーワードとした高付加価値の産業分野へ産業構造そのものの転換を日本に迫っている.
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