特集 東南アジア諸国の医療事情
東南アジア諸国との医療協力の現状
若松 栄一
1
1厚生省医務局
pp.50-55
発行日 1967年1月1日
Published Date 1967/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203017
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I.はじめに
最近,東南アジア諸国に対する医療協力が注目をあびてきている。これは医学の国際交流が盛んになり,わが国の医学界が海外に目をむけるようになってきたという医学界の傾向と,本年4月に開催された東南アジア経済開発閣僚会議にみられるように,東南アジア諸国とわが国との政治的経済的連帯をつよめようという外交上の関心のたかまりなどの事情によるものである。
ことに医療協力が期待をもたれているのは,他の借かんなどの経済援助,技術協力が,ともすればわが国の経済進出の一環として開発途上国から警戒の念をもって見られる可能性があるのに反して,医療協力はまったくそのような懸念の存在しないことである。したがって,医療協力は,政治上,社会上,経済上,宗教上,外交上の偏見があってはならないことはいうまでもない。
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