誌説
アジア諸国の医療水準と本邦の国際化
石井 賢
1
1国際医療福祉大学医学部整形外科主任教授
pp.214-214
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_214
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近年,欧米のみならずアジア諸国での国際学会の開催がひときわ目立つ.欧米二極性や米国一極性の医療が変わりつつあり,アジア諸国の台頭を感じる.筆者は10年前に北京を訪れた.10年前の北京の,少なくとも整形外科領域では病態診断,手術手技,インプラントの種類や質,接遇すべてにおいて日本が優っていたと感じる.講演をした際には皆興味深く聴き入り,多くの質問も受けた.5年前にはオリンピック後の効果で海外からの旅行者が急増し,都市はより近代化し,医療水準も全体的にレベルアップをしていた.先日北京を訪れた際には,海外の新技術や手技の多くが導入され,さらに医療水準がアップされたのみならず,中国国内で開発された新技術やインプラントも斬新であった.講演した際には会場は250名ほどの参加者であったが,講演が中国主要都市にライブ中継され,その参加人数は2万人を超えていた.まさに,この10年の中国の急成長ぶりは目を見張るものがある.
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