特集 60周年記念号
特別記事
写真と特集で振り返る病院の60年
大石 杉乃
1
1東京慈恵会医科大学医学部看護学科
pp.65-68
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101368
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第2次世界大戦が終結し,日本が連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の占領下にあった1949年7月1日,雑誌『病院』が学術書院(現在の医学書院は学術書院と日本医学雑誌株式会社の合併による)から発刊された.
創刊当時の雑誌には,病院の発展に寄与する目的をもって創刊されたことが記載されている.また,巻末には「日本の病院のおくれを早くとりかえしましょう!」という記載があり1),新しい日本の病院を築こうとする医師や編集関係者の意気込みが伝わってくる.『病院』の理念ともいうべき「よい病院はどうあるべきかを研究する雑誌」という言葉は,雑誌の表紙下段に表記されていた.
『病院』のグラフ(グラビア)は1954年から,特集は1963年から組まれた.本稿では,特集とグラフを中心に『病院』を分析し,日本の医療の発展過程とその中で『病院』が果してきた役割を検証する.さらに,メリーランド大学Gordon W. Prange Collection(プランゲ文庫)に残されている史料を収集し,『病院』創刊事情や発行部数など,日本では不明となっていた情報を紹介する.
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