連載 ヘルスケアと緑・12【最終回】
緑の夢
浅野 房世
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1東京農業大学農学部バイオセラピー学科園芸(植物介在)療法学研究室
pp.1038-1039
発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101338
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今年1月に始まったこのコーナーは,今回が最終である.人が緑を恋う理由は,ヒトという「いきもの」としてのDNAによるものであろうと述べた,読者は,緑がどのようにヘルスケアに結びつくのかと,疑問に思われた方も多かったことであろう.しかし,自らの病いを受容できない時に,自然が大きく,やさしく包み込んでくれることや,命の終焉を迎える時でさえ,貴重な時間に華やぎと光をふりそそいでくれるということを,様々な事例を通して説明した.このように,緑は「人のいのち」になくてはならないものである.
前回紹介したホール・イン・ザ・ウォール財団のキャンプは,世界11か所にあり,過去20年間で延べ約12万人の子どもたちがキャンプに参加した.どのキャンプも,設立当初は参加する子どもを集めるために,スタッフが小児病院を回り,ドクターたちに理解を求めて歩いたというエピソードがある.故ポール・ニューマン自身も,俳優たちの協力を得て,「難病の子どもが利用できる設備の整ったキャンプ」への理解を広める活動をしてきた.今,日本でも同様のキャンプ場をオープンさせる活動が始まっている.今回は筆者がかかわっている「そらぷちキッズキャンプ」を紹介したい.
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